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平成26年度「いじめ対策生徒指導推進事業」報告

 

NPO法人東京シューレは、文部科学省より平成26年度「いじめ対策等生徒指導推進事業」に関して実践研究を委託されました。ここで、その研究の内容と成果を発表いたします。

 

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 テーマ

 「クローズド型SNS及びマイクロブログ型SNSをベースとした不登校児童生徒等の交流・自立支援」

 現在、いろいろなSNSが手軽な交流ツールとして活用されています。しかし一方で不特定多数の人が使用しているために参入しにくさも持っています。そこで私たちは、私たちが直接運営に関与でき、同じ立場の所在のわかるメンバーのみに公開される「クローズド型SNS」を用意しました。実際のSNSは「MixiTM(ミクシィ)」型のパソコンを主に使用するタイプのものです。
 さらに、近年ではスマートフォンの普及に伴い、クローズド型でスマートフォン対応のマイクロブログ型SNSも開設することとしました。「TwitterTM(ツイッター)」型のSNSです。

 

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 対象

 在宅不登校または不登校を経験して在宅生活を送っている人で、当事業のSNSに登録・利用できる人。NPO法人東京シューレの「ホームシューレ」の各種サポートを利用できる人。

 

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 事業の内容

【第1段階】気軽な交流ツールとしてSNSに登録し、活用する。

【第2段階】SNS登録者のうち、希望者は以下の交流支援・自立支援を利用する。

  1. 当事者向けの交流誌(月刊)の発送
  2. オフ会
  3. 地方で開催される交流会(サロン)
  4. 年1回開催される交流合宿
  5. 学習会(美術コース・イラストコース)
  6. 仕事体験(ホームシューレのインターン活動)
  7. 教育提携している通信制高校への入学
  8. 進路サポート

【第3段階】登録者がどのような活用や進路選択をしたかを調査する。

 

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 調査結果

【第1段階】平成26年度に私たちのSNSに登録した人は67人でした。

【第2段階】各サポートの利用者は

  1. 当事者向けの交流誌(月刊)への投稿・・・31人
  2. オフ会への参加・・・4人
  3. 地方で開催される交流会(サロン)への参加・・・17人
  4. 年1回開催される交流合宿への参加・・・29人
  5. 学習会(美術コース・イラストコース)への参加・・・5人
  6. 仕事体験(ホームシューレのインターン活動)への参加・・・14人
  7. 教育提携している通信制高校への入学・・・8人
  8. 進路サポートの利用・・・21人

【第3段階】

平成26年3月の時点で、SNS登録者67人の進路内訳は以下のとおり。
小中学生・・・15人
中学卒業以上で在宅・・・9人
就学・・・26人(高校または高認17人、専門学校3人、大学6人)
就労・・・17人(インターン5人、フリーター9人、正社員3人)

 

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Ⅴ 実践研究から見えてきたもの

  1. 本事業参加者のうち、中学卒業以上の人の進路決定率は82.7%だった。
  2. 本事業参加者は、非参加者に比べて進路決定率が高かった。
  3. 本事業参加者のうち、就学就労した人の第2段階のサポート機会の利用度が高かった。

 

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 まとめ

 現代の在宅不登校の子ども若者にとって、SNSの利用は手軽で親しみやすい傾向がある。特に少数利用者のクローズド型で管理者が登録者を把握しているSNSは参入障壁が低くなると考えられる。そのようなSNSの利用者は、SNSを通じて提供される各種の交流支援サポートや自立支援サポートが利用しやすくなる傾向にあると考えられる。さらに、そのようなサポートを利用することで人間関係や自信や見通しが形成されやすくなり、進学就労などの進路を得やすくすることや、在宅生活の充実に寄与するようになりやすいと考えられる。