不登校フリースクールについてもっと知りたい

  

Q11.学校以外で子どもの行くところはある?

 

 

学校のほかに、子どもが行ってもいいようなところってある?

 

いっぱいあるよ。子どもが育つのは、学校だけじゃないんだ。
まず、「家」で育っていいんだ。家にいたい人、家でゆっくり休みたい人、家の方が安心できる人、家で自分にあった成長の仕方でやっていきたい人、みんな「家」で育っていっていいんだ。
外国には、「ホームスクーリング」とか「ホームエデュケーション」というのがあって、学校以外で育っていくやり方、うちでやっていくやり方も認められている国も、いろいろあるんだ。
家でやっていくと、退屈とか、物足りないとか、もっと友達を作りたいとか、家だけではつまらない、とか感じたら、外へ通うところ、時々行くところをみつけてもいいですね。
そこで、そういうときの参考に、ここをのぞいて下さい。まず知っておいてほしいのは、学校以外の子どもの場と言ってもいろんな性質があるのです。

 

 

おおまかに言って2種類に分けられます。

1.不登校を肯定的に考え学校へ行く、行かないは、その子が決めることと考えている。
したがって、学校にこだわらず、成長へのサポートをするところ。

 

 

居場所・フリースクール・フリースペース

学校しかないなんていう教育制度が、今の時代に合わない、学校外に子どもが自由に行っていい場所、そこで人と出会い、何かを学んだり活動したりする場所があったら、どんなにいいだろう、という考えから1985年頃から生まれてきました。

そのさきがけが「東京シューレ」です。

東京シューレを生み出した母体は「登校拒否を考える会」という親の会です。

これは私、奥地圭子が1983年に呼びかけ、1984年から出発し、毎月、学校へ行っていない子を、もっと理解するための親の学び合いや支え合い、通信発行、世の中の誤解や偏見を変えるための活動(講演会や文部省などとの交渉)をしてきました。

親が、不登校の子の気持ちをわかり、味方になり、家をいやすくする、というのがいちばん大事です。
親が関わってくると、それまで閉じこもったり、暴力的だったりした子どもとても落ち着き、元気に家庭で暮らすようになりました。

親の理解が進むと子どもが楽になり、親といっしょに会に出てきたりして、数人の子が知り合うようになりました。その日一緒に遊んだり、しゃべったりした子たちが「明日からどこへ行けばいい、家は飽きた」と言うのです。

また親も、「子どもが、やることがなくて退屈、 と言っているがどうしたらいいか」「友達をほしがっているが、みんな学校へ行っていて、周りにいない」「ウチの中でやることをやり尽くして、もっといろんなことをやってみたいと言っている」などの悩みが出てきて、それをどうしよう、ということを考えざるを得ませんでした。

そこで私たちが考えついたのが「学校外の居場所」です。
学校ではないところで子どもが自由に行って、安心して過ごせるところ、あれしろ、これしろ、勉強だ、テストだ、と追いたてられるのではなく、子どもがやりたいことを大切にし、過ごしたい形で過ごす、というようなところがあったらいいね、と。

私はそのころ、自分の子が不登校で、「登校拒否を考える会」をやっていたのですが、同時に職業として学校の教師をしていました。
学校にはゲンメツを感じることばかりで、「もっと子どもたち中心でやっていく楽しい場をつくりたい」という教師としての考えと、不登校の子の居場所が必要というニーズが重なりました。そこで教職を辞し、「東京シューレ」の開設に踏み出しました。
なお、フリースクールには、親や市民がつくり出したものでなく、外国のフリースクールに学んだり、学習塾が変わったり、でき方はいろいろです。

また、毎日開いている、時々開いている、教科の授業などをやっている、いない、子どもが決める、大人が決める、やり方はいろいろです。

 

 

 

2.不登校は問題行動でありできるだけ学校へ復帰させ、学校を卒業すべきと考えている。
したがって、学校へ適応するために学習や集団行動を体験させ、なおそうとする考えで行っている。

学校へ復帰することを目的としているところ。
無理に学校へ戻ることはないが、社会で自立してやっていくために、さまざまな訓練、集団生活体験をさせて、立ち直らせる援助と考えているところ。
それは概ね次のところがある。

 

 

公立

 

公的な税金で賄われている施設に共通するのは、ごく一部を除いて不登校を治す発想を持ってあなたに接し、学校に戻そうとするので、本当によく考えて、通ったり入ったりしてほしいのです。
私としてはお金がかからないのはいいと思うのですが、学校にもどそうとするところはお勧めできません。
あくまでも学校へ行く、行かないは、あなたの意思を尊重するところを見つけるべきだと思います。

 

●適応指導教室、相談学級、ステップ学級、中間学級

不登校の子が通う教室で、学校内の空き教室をつかってやる場合と、独立に、建物が用意されている場合がある。
開校時間も毎日、朝から夕方までやっているところ、午後だけ、週2日とかいろいろ。
たいてい、もと学校の先生や校長先生がやっている場合が多い。
費用は公的に支出されているが、この学級の目的が、学校復帰にあり、原学級に戻ることをすすめられる。
服装や持ち物時間の使い方も自由なところが増えている。「適応」という言葉は、問題があるので、90年代に抗議をしたところ、「教育支援センター」と呼ぶところが増えたが、内容はよく吟味する必要がある。

 

●児童相談所、教育センター、教育相談所

これらは、主として、カウンセリングを受けたり、相談に行ったりするところだが、そこに、プレイルームがあったりして、卓球やバドミントンなどのスポーツや、ゲームをやったりマンガを読んだり、お料理をして過ごしている。
相談に行ったついでに、そのようなことをやってくるようになっているところもある。
子どもたちが数人くる部屋を持っている場合と、カウンセラーと二人でやってくるようになっている場合がある。これも公立で、お金はいらない。

 

●健康学園

体の弱い子、病弱な子、太っている子などが宿泊しながら、体を鍛え、学習もするようになっている学園で、そこに不登校の子も、けっこう入っている。
たいていは、山の中とか海の側とか、自然環境のいいところに建っているので、家庭と離れて遠くへ行くことになる。
生活は1日のスケジュールにもとづいた集団生活であり、一部屋に数人で入る。医者の診断がある。
これも公費であるが、生活にかかる費用の一定額を親が払う。

 

●情緒障害児短期治療施設

ここにも不登校の子がたくさん入れられていた。
問題と思われる子を治すためにつくられた公的施設で、宿泊型である。
1日の生活を決まった時間割に従って集団生活をしていく。
やはり家庭から結構遠いところに行く事になり、不登校は情緒障害なのだろうか、という疑問を感じている子どももいて、入所をよく考える必要がる。
厚生省が面倒みている公的機関。

 

●児童自立支援施設

今は「教護院」といって、「不良行為をした子、そのおそれのある子」が入っているが、1998年4月1日から、「児童自立支援施設」に名前が変わり、「生活指導などを要する子」も入る対象となった。
今でも、「教護院」に不登校の子が入っているが、「不登校の子だからという理由で入らせることはしない」と国会で決まったので、入りたくない子は入らないでいいというのをよく知っておいてほしい。

 

 

民間立の施設

●フリースクール

「フリースクール」と称していても治す発想、訓練してやるという発想のところはけっこうあります。
こういうフリースクールは、東京シューレなど、子どもの居場所としてできたフリースクールとどこが違うかと言うと、子どもが主人公でやっていくのではなく、大人が取り仕切っていることです。民間ですから費用は親負担です。

 

●矯正施設

例えば「戸塚ヨットスクール」「風の子学園」なんてきいたことありますか?
登校拒否や家庭内暴力の子どもをきびしく、つらいめにあわせることで鍛え直すという発想で、人権無視のめちゃくちゃなやり方をし、子どもが何人も死んだ所です。
こんなところには、絶対行ってはいけません。
この2つ以外にも、似たような考え方で子どもを預かる施設がありますから 用心して下さい。

 

●宿泊施設

泊まって共同生活しながら、生活自立や労働の経験をつむところで全国に数10ヶ所あります。
親身になって世話をしてくれるところから、矯正施設のような考えではないけれど、治すといった発想のつよい施設もあり、やり方も様々です。
直接の問い合わせと何日間かの実地見学が大切でしょう。

 

 

 

塾、習い事、社会施設、少年活動。

以上は全く異なるもので、学校に行っている子が今までも利用していたものですが、学校へ行っていない子も、堂々と利用すればよいわけです。

学校は行かないが学習塾は好きという子
学校は行っていないが、
ピアノとスイミングには習いに通っているという子
少年野球やボーイスカウトには行っている子
・・・など、いろいろいます。

そこも自分の居場所だし、友人をつくったり、交流の場所ともなります。

 

 

学校外の場に参加するときに大切なこと

 

その1
どこかに所属する(通う)なんていうのは、君自身が決めていいのだ。

その2
今紹介した全ては、不登校しているからといって行かねばならぬことはない。
それをよく知っておいてね。

その3
どこか、家から外へ出ないと育っていけないことはない。家庭でも育っていける。家にいたかったら家にいていい。
ホームエデュケーションだね。

その4
不登校を「なおす」「立ちなおらせる」という発想のところではなく、その子の生き方、あり方をみとめ、子どもを一人の人間として、尊重し、あなたがあなたの人生をつくることを、応援してくれるところなら、おすすめです。
不登校への偏見を持っていたり、学校へ行かせようとするところは、あなたがあなたであることを認めないところなのですから、おすすめできません。

 

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