Q10.不登校って義務教育違反?
学校は休んでいいといわれても、小・中学校は「義務教育」なんじゃない?
義務である以上、学校は通わなくてはいけないところなんじゃない?
実は、ちょっと違うんだよ。子どもは、学校へ行く義務はないんだ。一人も罰せられていないよ。
エッ?! だって、義務教育、義務教育と、親もおばあちゃんも言ってたんだよ。
違反になるから、いやでも行きなさいって。
それは、親の方も、おばあちゃんも勘違いしてるのよ。義務教育と言うと、いかにも、学校へ行く義務があるみたいだもんね。
じゃあ、だれの義務なの? どうして義務教育っていうの?
実は、義務教育の義務は、大人の義務なんだ。
今の憲法になってから、教育は、子どもにとっての権利であって、義務ではなくなった。
子どもが健やかに学び育つ権利を保障する義務を、大人に負わせたんだ。
1945年、太平洋戦争が終わり、日本は、民主国家に生まれかわるわけだけど、戦争前は、教育は、天皇の臣民(優秀なしもべ)になるために、教育を義務として受けさせられた。
しかし、戦後は、教育は一人一人の子どものために、国が国民の税金を使って、子どもの成長を助けるために行うことになった。
行政は、学ぶ権利を保障するための学校を設置する義務と、親は就学の義務といって、学校に行くよう整える義務をもった。
「働いてこい」と奉公(おつとめ)先に出してしまうと、子どもは学校へ行けないことになる。そんな親は、子どもの学ぶ権利を保障するんじゃなくて、じゃましていることになるから義務違反、ということになる。
ところが、今の不登校は、親は学校へ行けるように手続きもし、条件も整えている。だから、親の義務違反にはならない。
つまり、子も、親も、違反していないんだ。堂々と、学校休んでいいんだよ。
行かないからといって罰せられることはない。悪いこと、間違ったことをしていない。
これはよく知っておくといいね。