王子シューレ
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TEL:03-5993-3135 / FAX:03-5993-3137 / E-mail:info@shure.or.jp
開室日 月曜日〜金曜日(10:00〜17:30) ※水曜日は13時から
アクセス  フォト蔵
王子シューレのご紹介
東京シューレは学校外の子どもの居場所“フリースクール”です。
「自由」、「自治」、「個の尊重」(違いを認め合うこと)、そして「安心して過ごせる居場所であること」を大切に考え、現在は東京都北区、新宿区、千葉県柏市でフリースクールを開設しています。
また、フリースクールの他にも家庭を中心として育つ子どもとその家族の支援のためのネットワーク「ホームシューレ」や、18歳以上の若者たちの表現と探求の場「シューレ大学」などの様々な活動を行なっています。
このページでは、東京シューレが大切にしている「五つの理念」をご紹介します。
日常の雰囲気はひとこまからもご覧いただけます。


五つの理念

1.子どもの居場所でありたい

東京シューレはまず子どもたちが安心していられる居場所でありたいと考えています。そのために、「自分が自分であること」を大切にしています。命令、競争、干渉、上からの管理、過度な期待などによらず、自分らしく在ること、自分の気持ちや感情・意思・自己決定を尊重します。そうすれば緊張や不安は、ゆっくり安心や信頼に変わるでしょう。日本社会の価値観は不登校であることに否定的であるため、本人自身の自己評価が低く、「ダメな人間である自分」に苦しんでいることが多いのですが、本人のあるがままを受け入れる環境と理解し合える仲間の中で、自己否定から自己肯定に変わっていき、自分を出していいんだ、ということを感じてくるでしょう。
ここは日常、異年令の子どもたちで遊び、学び、活動する点がさまざまなプラスをもたらしています。きょうだいの少ない時代、年上・年下と関わる自然さや楽しさを味わい、あこがれたり、思いやったりの経験が成長をたすけるでしょう。

2.やりたいことを大切にします

東京シューレでは、本人の「やりたいこと」を大切にします。やりたいことがどうしたら実現できるかを共に考えます。やりたいことはなぜ大切か。やりたいことはエネルギーが出るし、知恵もわく。困難も解決していきます。なにより、やりたいことをやれていくことは、幸せを実感でき、希望を感じていくことでしょう。
 誰でも、すぐにやりたいことがハッキリするわけではありませんが、そんな場合はゆっくり時間をかければいいと考えています。学習や行事に意欲的に取り組むには、心理的な安定が必要で、癒されたり充電したりする時間も大事です。このような日常の中で、自分のやりたいことを多くの子が見つけ、自己実現に向かっていきます。生きていく主体は子ども自身であり、東京シューレは、その子が自分らしく成長していくサポートをしていきます。

3.自分で決めることを大切にしています。(自由ということ)

「自由」は自らに由ると書きます。つまり、「子どもの権利条約」風にいえば、子どもは自己決定権を持つ、ということです。週何日通うか、いつ来ていつ帰るか、服装や持ち物、何のプログラムに参加するかしないか、一日をどう過ごすかなど自分が考え、自分で決めます。何もしないこともいいし、それぞれ自分にあった過ごし方でやっていきます。様々な学びに取り組む子もいれば、おしゃべりをして過ごす子もいます。
そして、他人にも自由があり、それを侵してはならないことも、日常の中で学びます。もし迷惑を振りまいていれば、何らかの周囲の反応が起こり、本人自身による軌道修正が行われます。
 こうしたあり方は放任ということではありません。スタッフも、過ごしやすい場をつくりあう一人の人間として、思いや意見を伝えます。また、そこまでストレスを抱え込むことになったつらさや心の傷、抑圧感について充分に話を聞き、共に考えます。
 私たちは、とても子どもを信頼しています。自由にすると「わがまま」や「無秩序」になると心配されますが、25年の実践から、そんなことはなく、自分で考える人間が育つといえると思います。ちなみに、学校では学級崩壊現象が起きていますが、東京シューレではそのようなことは一度もなく、これからも起こりそうにありません。子どもの意志が尊重されるところでは、集団的に荒れる必要は生じませんから。そして、自由の中でこそ、責任を学んでいけると確信しています。

4.子どもたちで創る

私たちは子どもの場の主人公は子どもであると考えます。そこがどんな場であって欲しいか、なにをどうしたいか、したくないか、子ども自身がいちばんよくわかります。オトナがこれを学びなさい、あれをしなさいと決めて、それをこなさせるのが「教育」であるというのが伝統的な学校のあり方です。東京シューレでは、子どもたちが意見を出し合い、決定し、実行し、もしやってみて良くなかったら変更し、という中で学び、成長する場を創ることに参画していくのです。
どのスペースも毎週1回子どもミーティングが開かれ、そこで様々なことを話し合って決めます。ルールや部屋の使い方、授業や講座、活動や行事、シューレ内の問題や取材の可否、サークルや集会の呼びかけ、その他何でも持ち込まれます。議長は子どもが行い、子どもも スタッフも議題にしたいことを出し、議決も子ども・スタッフ対等な1票で決めます。時にはスタッフの提案が却下されることもあります。何でも多数決ではなくて、少数意見も大事にして皆で考え、決まらなければ、次回に持ち越したり別の話し合いの機会を持ったりして時間をかけることもあります。
日常のプログラム以外の、大きな長期の取り組みには、やりたい人たちで実行委員会がつくられます。夏期合宿、クリスマス会、卒業式にあたるお別れ会、ハロウィンパーティー、キャンプなどは毎年行われます。
こうした年間の行事にとどまりません。手作りの気球を飛ばす、日米フリースクール交流やユーラシア大陸横断、大きなステージを借りての周年祭や、長野県でのログハウス建設、ペルーのワーキングチルドレンの子どもたちとの交流、世界フリースクール大会、ミニトレインの製造、アラスカへの旅など、たくさんの夢が実現しています。
毎月子どもの手で発行される「東京シューレ通信」もすでに16年続いており、自治活動の大きな柱の一つとなっています。シューレ通信編集部もやりたい子たちで作られており、今では、スペース回りもちしながら連綿と続いています。

5.違いを尊重すること

子どもは一人ひとり、個性も、置かれた状況も体験してきたことも皆違います。日本の学校教育は、同一年令の子を同一の時間、同一の内容で、一斉に指導する画一型教育が一般的ですが、そうでなく、違いを受け止めあい、その子自身の興味や感性、認識力やペースが大事にされ、自分でも大事にしていく、そんな場でありたいと願っています。子どもは生命の塊であり、生命を持つものは、皆、異なります。個別性こそ原点であり、「効率のよい教育」を求めた日本の教育が、振り落としてきたものともいえます。先述した、自由と自治に由る子どもの場では、子の在りようを邪魔せず、また、あるべき人間像を強いることから守られ、自らの好奇心や関心、エネルギーによって、自らにあったやり方で成長していきやすくなります。
フリースクールには公的な支援がまだなく、経済的に自前であり、十分なことはできませんが、個性がつぶされず、そのまま育って、たっぷりの自由な時間を興味あるものに使い、個性的な人間がたくさん育っています。発達障害といわれるお子さんも個性であり、違いを排除にむけるのでなく、どうしたらその子が生活しやすいのかを考えて、共に育ちあう統合教育をすすめています。
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