フリースクールの子どもにきいてみた~不登校になったあの頃~3
お子さんが「学校に行きたくない」と言ってきたら、まずご自身の不安をぐっとこらえ、「話してくれてありがとう」と、“行きたくない気持ち”を受け止めるのがおすすめです。
でも、「じゃあその後どうしたらいいの?どう接したらいいの?」と悩みはつきませんよね。
今回はフリースクール歴8年の人から3年未満の人たち(14~18歳)5人と「不登校になったあの頃」のことをいろいろ話す座談会をしました。
きいてみると、子どもの人たちは親が思っている以上に深刻にとらえていることがわかりました。
何しろ「学校に行きたくない」ことは子どもにとって「生きるか死ぬかの問題」なのですから…。
*心の余裕
おびっちゃん:心の余裕って大事だね。じゃあ心の余裕ってなに?年齢かな?
Hさん:年もあるけど、要するに触れられない時間があったかどうかじゃない?
Mさん:最初の頃、子どもに何かしたいアピールがあったけど、そのうちめんどくさくなって何もしなくなるじゃないですか。家で自分一人の時間ができると、意外といいんだよ!
おびっちゃん:おー意外と自分の時間って、いい感じ?
Sさん:意外とっていうか、最高
Hさん:親の良くない行動で、せっかく溜まった心の余裕ゲージを減らしてると思った方がいい。親が、ぼくを誘わずに美術館とか行き始めて、家にいない時間ができてから、元気になってきた。
Mさん:家に親がいない=自由だよね。
Sさん:おれも、親が仕事とか始めて、家にいない時間が増えたら、自分で自分のことを決められるようになって、楽しかった。
Kさん:今までは自分の部屋を安全地帯にしていたけど、親が出かけていると、自分の家全体が安全地帯になりうるんだよね。
Hさん:あなたがいつも子どもを見ているように、子どももいつもあなたを見ている(笑)
Kさん:例えが合ってるかどうかわからないけど、親がいる家は世界遺産が置いてある家みたいなもんだから。
Hさん:なんだその例え(笑)
Kさん:いつ壊すかわからない重圧感じるよね
Mさん
Hさん
Sさん:爆笑
Hさん:それだけ緊張感があるみたいなことか(笑)
*今だからこそ話せる親との関係
おびっちゃん:よくある、子どもが不登校になったから仕事をやめてずっと家にいるようになった親の人とかは?
Hさん:良くないね。
Mさん:親って、味方アピールが足りてない。子どもに何かきくなら、「仕事に行った方がいい?行かない方がいい?」くらい。それをきかれたら、「ぜひ行ってください」っていうから!(笑)
おびちゃん:じゃあ心の余裕っていうのは、一人の家時間?
Mさん:そう!
Sさん:それがしばらく続くと余裕が出て来るって感じ。親との関係も良くなる。
Kさん:親は全知全能だからな。自分の中で。
Uさん:変に甘やかされるよりは、育児放棄気味にされた方が、おれは楽しかった。寝床とご飯用意くらいで、あとは自分で自分のことを決めさせてくれたのがありがたかった。
Mさん:親は自立の門の前に立っている門番みたいなもんですから。
Kさん:暴言だなー(笑) これも、時間がたってるからこそ言える暴言だけどね。今だから言える洒落。今は余裕があるし、親との関係もいいから。
Mさん:今こうしてあの頃のことを振り返って話せるのも、7年くらい経った今だから言える。傷が癒えたんだと思う。余裕ができた今だから、「あの頃、親も大変だったんだなあ」って思う。
*親ができること
おびっちゃん:学校訪問とかの話がでると思ったけど?どうだった?
Hさん:学校訪問も嫌だけど、親に出といてって頼めるからね。親にして欲しいのはこれ。学校に触れたくないから会わせないように極力して欲しいよね。
Mさん:この学校っていうのは授業だけじゃなくて、校外学習とか運動会とかいろいろ含まれる。学校から距離をとらせて欲しい。
Sさん:行事だって学校だから。
*フリースクールとは
おびっちゃん:それでは最後にみなさんにとってフリースクールとは?
Mさん:質問が雑!(笑)
おびちゃん:なんでもいいよ(笑)なにも出なければなしでも!
Hさん:家以外の便利なコミュニティー
Kさん:待避所
Mさん:まともな答えだ!(笑)
Hさん:便利だよね。こんなに遊んでるだけで、将来についての心配なこともカバーできる。勉強とか高卒資格とか。
Sさん:勉強とか職業体験とか、学校じゃ興味のなかったことをフリースクールならやってみようかなってなる。
*まとめ
7月22日。はじめは、30分程度の予定でみんなにお願いして集まってもらいました。結果、1時間を超える時間となり驚きました。
みなさん、今ではとっても元気ですが、不登校当初は苦労をしていたんだなあと、改めて感慨深くなりました。率直に話してくれたことに感謝です。
どの言葉もリアルで、だからこそ親の方にとっては傷つく言葉があるかもしれません。だとしたら、すみません。でも彼らの本音は、気持ちをわかって欲しいというところに尽きると思います。それと、学校との距離をとらせてくれる防波堤としての役目でしょうか。
そして、元気に話していた彼らも、こうやって話せるようになるには、年月と「心の余裕」が必要でした。
記録の録音を切ったあとに、オフレコだからなのか、みんな口々に「親も大変だったと思う」や「あの頃は思えなかったけど、今は思う」「時間がたったから話せる」「親も頑張ってた」と話していました。
今回の座談会が、お子さんの不登校で悩む親の方へ何かのヒントになりましたら幸いです。
編集:スタッフはらの
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