「オーストラリアのデモクラティックスクールを見て学びについて考えた話」

 こんにちは、スタッフの原野です。 

 不登校児童生徒16万人を超えました。さらに、苦しい思いをしながら学校に行っている子は、33万人もいるといわれています。中学生に換算すると、10人に1人は不登校傾向にあるそうです。今の子どもたちを取り巻く環境は、なんとも過酷なんだなあと感じます 

ちょうど一年前の209年7月オーストラリアで行われた”APDEC”(エーピーデック)に参加しました。 

【APDECとは?】 

APDEC(アジア・太平洋デモクラティック教育大会 )はIDEC(国際デモクラティック教育大会)から生まれた大会です。 

IDECは毎年1回開かれ、フリースクールやホームエデュケーションで育つ子ども・若者、親、スタッフをはじめ、関心を持つ学生や研究者が世界中から集まり、世界各地の子ども中心の学びが出会い、交流し、経験を共有し、刺激を受けあう大会です。 

そんなIDECの大会を積み重ねる中で、参加しているアジア・太平洋地域の人々から、その地域の人たちでじっくり交流し、深く経験を共有しあう地域大会を開きたいという声が高まり、第1回APDECが台湾で開催されました。(大会ホームページより) 

2017年には、東京でも開かれたんですよ! 

 

 

 【オーストラリアのデモクラティックスクール】

 オーストラリアの教育は、公立校・公立のシュタイナー校、私立のシュタイナー校、デモクラティックスクール(民主的学校)…と様々な場があって、それを自由に選べます。公立校に行ってみたが、合わないからシュタイナーに転校する、というようなことが容易に行われているそうです。 

ですので 、公立学校に合わなくて仕方なくフリースクールに通うというよりも、親と子が自ら学校を選びます。 

前置きが長くなりましたが、大会のホスト校の一つカランベーナスクールというデモクラティックスクールついてお話します。

 

入口すぐの建物。壁のペイントがかわいい。

カランベーナスクール(Currambena School)は、51年前デービットさんとケーンさんというニュージーランドの人が、作りました。 

当時ニュージーランドにくらべて、オーストラリアの教育は厳しかったそうですオーストラリアに来た二人は「自分の子どもにそんな教育は受けさせたくない!」と思っ学校作りをはじめました。 

カランベーナとはアボリジニの言葉で「幸せな場所」という意味だそうです。 

 

から12歳までの子どもたちが学ぶ場所です。 

歳から歳まではPreschool(幼稚園部)で、歳から12歳までがPrimary(小学部)となっています。 

自然豊かな場所にあり、フットボールやバスケットボールのコート、工芸室や音楽室、屋根に登れて滑り台で降りられる平屋など、子どもたちがワクワクする仕組みや施設がたくさんありました。 

興味・関心を大切にていて、やりたいと思ったときにすぐ取り組めるように、モノや部屋が整備されています。 

鶏も放し飼いされていました! 

 

鶏が歩いています。お世話も子どもたちがしていました。

 

その中で子どもたちは、自分の特別な興味関心を見つけて、様々なことを学んでいきます。 

いくつかの特徴を述べていきます。 

制服は無い個人のアイデンティティをつぶすから。 

・懲罰はない 

カリキュラムはあるが強制ではない 

・大人も子どもも対等。上下関係で子どもを縛らない。 

・校長はいないスタッフ同士でも、上下関係を作らないため  

子どもの体験談を聞くと、チュチュを着て泥遊びをしたり、パンツ一丁で綱渡りをしたりしていたそうですスタッフからやめなさい!と言われることはありません。 

屋根の上に登ることのできる階段。この先に滑り台があって、みんな順番待ちしています。

 

しかし、ただ野放しなのではなく、そこには一人一人の子どもを尊重する考えが土台にあります。 

性別年齢受けてきた教育で差別がない 

小さいことにかかずらわない、小さい成績ではなく、学び全体を見る。 

・ミーティングが大事 

・自分たちでもめ事を解決できないとミーティングにかける 

子どもが自分に挑戦できる 

・みんなが自分自身であることを大切にしている 

などなど・・・。スタッフや子どもたちがシンポジウムで語っていました。子どもが安心していられる居場所であることが、大前提なのです。 

 

子どもたちが作った作品がいたることろに飾られています。

【学ぶことと遊ぶこと】

カランベーナスクールに子どもを入れている保護者の言葉で印象的だったことを一つお伝えします。 

「学びとは一生付き合っていくもの。学ぶことが楽しいことだと知っていた方が、人生を豊かにする。そして、その子が一生やっていきたい何かに出会う場所が学校であり、カランベーナにはそのような場所であってほしい。 

 

カランベーナでは、遊ぶことと学ぶことの区別がありません。子どもたちは自由な環境の中、遊びながら学び、学びながら遊んで、一生やっていきたいことを見つけていきます。 

 

大きなクモ!建物の壁にも作品が飾られています。中には音楽ができる部屋があります。

 

ある女の子が「ねえねえ!お母さん!今日すごくおもしろい遊びをしたの!数学っていうのよ!お母さんに言ったというエピソードがあるそうです(笑) 

カランベーナの子どもや、卒業生たちはみな、学びへの意欲や情熱が高く、自分が何をしたいのか知っていました。そして、自分自身を尊重していて、他者への尊重も欠かしません。そういう環境で、育ってきたからです。 なんだか圧倒されてしまいました。

 

 

 

 【日本の不登校・フリースクール】 

 私は、小学4年生から中学3年まで不登校を経験しました。小学校いじめはぶり、高圧的で怒鳴る先生にビクビクしていました 

さらに、中学に上がると制服・校則待っていまみんなで同じ格好をして、同じ時間に同じことをする場が、私にはとても苦痛でした 

今、その苦しい最中にいる子ども若者が33万人もいると思うと、なんともやるせないですね。 

APDECを行った国立公園内の景色。オーストラリアはちょっと行くともう大自然です。

カランベーナを見ることで、日本の子どもを取り巻く問題がリアルに浮かび上がってきた気がします。 

もちろんフリースクールの抱える課題も。 

月謝が高いこと。国や自治体から援助を受けていないこと。通える子どもが限られていること。スタッフの力量不足みんなの安心・安全をどう守っていくか…。 なかなか、カランベーナのようにはいきません。

でも、カランベーナのまる真似ではなくとも、いいところは取り入れながら、日本に合った形で居場所をやっていけたらなと思います。

そして、不登校のただなかにいる人、それを支える保護者の人、不登校になりたいけどなれない人たちに、こんな学校もあるよと知って欲しくてこの記事を書きました。

日本にも、もっと多様な学びの場が、増えていけるといいですね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

流山シューレでは毎週火曜・金曜にオープンデイを行っています。

予約制となっております。お気軽にご連絡ください。

電話:04-7199-7141

(月~金 10時半~15時半)

メール:nagareyama@shure.or.jp

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です