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東京シューレにおける性被害について、及び、子ども等の人権、安心・安全を守るための取り組み

東京シューレにおける性被害について

 新聞等で報道されておりますように、東京シューレが1999~2000年度に主催していた宿泊型フリースクール活動において、関係したスタッフによる性加害があったことが2016年提起の訴訟により明らかになり、2019年7月に和解に至りました。被害者の方には、心身ともに傷つけ、その後の人生に多大な負の影響を与え、今もなお苦しんでおられることに責任を感じ深くお詫び申し上げます。

 また、私どもの活動に関わる子ども若者・保護者・協力者等の皆様をはじめ、各地の不登校・フリースクール等の活動の関係者や関心を寄せてくださっている多くの皆様に、不安とご心配をおかけしました。全国のフリースクール等は、性被害が頻発しているという事実はなく、子どもの人権と権利のために活動しておられます。

 本件については、訴訟が和解によって終了したとの事実を除き守秘義務があることからご説明することができませんが、東京シューレの活動における性加害・被害、性暴力・虐待を含む人権侵害・ハラスメント(いじめを含む)等を防止するため、第三者を含む人権委員会の設置、相談窓口の開設、計画的・継続的な職員研修の実施、職員の倫理綱領と行動規範の策定などの再発防止策を講じました。さらに日常的な取り組みを強化し研鑽を重ね、子どもの安心・安全を守る体制を整え、信頼回復に努めてまいります。

 

2020年2月10日

特定非営利活動法人東京シューレ 理事長 奥地圭子

 

 

子ども等の人権、安心・安全を守るための取り組み

 

下記の取り組みを実施しております。

 

①子ども等の人権委員会(子ども等の人権の保護に関する委員会)の設置

●目的と役割

東京シューレの事業および活動に関わる子ども等(会員、学生、イベント等への参加者、受託事業等の利用者を含む)の人権保護とそのための施策を推進します。

●次の仕事に取り組みます。

 ・方針と施策の立案
 ・啓発と研修の立案
 ・実施状況の検証
 ・子ども・会員・学生、スタッフ、保護者への提言や助言
 ・通報や相談の窓口の設置
 ・通報や相談に基づく調査のしくみづくり
 ・理事会への報告や提言
 ・その他必要な事項

これまでの子どもの人権保護施策の実施状況の検証と課題(2019年12月)(PDF)

 

②相談窓口の開設

相談窓口担当者 第三者人権委員・弁護士1名

シューレ内相談窓口担当者 スタッフ1名

 

③スタッフ研修の実施

東京シューレでは、週1回のスタッフミーティングや日々の振り返りのほか、不登校や多様な学びを中心とした内部研修・外部研修を年間30回を超えて実施しています。

加えて、2019年度は、NPO法人東京シューレおよび学校法人東京シューレ学園の全スタッフを対象に、外部講師・機関による、性の多様性理解や性加害・被害防止の研修「LGBTQって何だろう」(8月)、「人権としての性的尊厳の確立を目指して」(10月)、「性暴力と救済の活動について」(11月)、これらを踏まえたワークショップ研修(11月)を実施しました。

 

④倫理綱領・行動規範の制定

特定非営利活動法人東京シューレ
倫理綱領 行動規範
2019年12月14日制定

東京シューレは、フリースクール等の活動を通して、子どもが創る・子どもと創る多様な学びと社会の実現を目指します。そのためにここに倫理綱領および行動規範を定め、スタッフはこれを遵守し、子ども・若者の最善の利益のために行動します。(ここでいうスタッフは、法人との雇用関係の有無を問わず、東京シューレの活動に従事し、子ども・若者[フリースクール、ホームシューレの会員、シューレ大学の学生、イベント等の参加者、受託事業等の利用者]に携わる者を言います。)

 

≪倫理綱領≫

1.子ども・若者は、かけがえのない生命であり、人格を持ち尊厳ある存在であること、自ら成長力を持った存在であることを十分理解し尊重します。

2.子ども・若者が権利の主体として自己を形成することを支援し、子ども・若者の自己決定、意見表明、参加の権利を尊重し推進します。

3.子ども・若者の生命と権利を守り、安心・安全に学び成長できる居場所と環境づくりを推進します。

4.日々の自己研鑽と相互の高め合いにより、自らの資質と能力を向上させ、団体の使命と目指す社会の実現に寄与貢献します。

 

≪行動規範≫

1.年齢、性別、性的指向・性自認、身体的な特徴、学歴、不登校、意見、思想、信条、宗教、人種、国籍等により差別し不利益をもたらす言動や行為は行いません。

2.子ども・若者を事故・災害・犯罪等から守るよう努めます。

3.子ども・若者の話をよく聞き、その人自身の気持ち・考え・身体・性・行動についての自己決定権を尊重します。

4.暴言、暴力、虐待、体罰、無視、いじめ、誹謗中傷、えこひいき、パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、不安や恐怖を与え安心・安全を損ねる言動や行為は行いません。またそれらの行為を許したり黙認したりしません。

5.子ども・若者が相談しやすい環境をつくるよう努めます。特に性暴力・被害を含む人権侵害に関しては、被害を受けても言いにくいことを理解し、抵抗や抗議を示したり訴えたりしやすく、また、訴えることが不利益になったり、不利益になると感じられたりすることのないよう配慮します。

6.子ども・若者、保護者のプライバシーを尊重し、個人情報保護と秘密の保持に努めます。

7.子どもの権利条約および東京シューレの子どもたちが宣言した「不登校の子どもの権利宣言」を指針として行動します。

 

≪行動ガイドライン≫

1.スタッフが子ども・若者に対して、してはいけないこと

(1)不登校を否定すること

(2)本人の年齢、性別、気持ち、身体的特徴・性的指向・性自認を否定すること

(3)呼ばれたくない呼称や表現で呼ぶこと

(4)高圧的な態度、言動、行為をすること

(5)正当な発言の機会や参加の機会を奪ったり、故意に妨げたりすること。

(6)不適切な身体への接触、不適切な距離で接すること

(7)つきまとい、待ち伏せる行動をすること

(8)性的・わいせつな言動や行為をしたり、性的な噂を流布したりすること

(9)身体上の事柄、ジェンダーに関する不必要な質問や発言をすること

(10)わいせつ図画の閲覧、配布、掲示をすること

(11)交際、性的関係を持つこと

(12)業務上取得した個人情報を、個人的な目的で使用したり、私的なメッセージ交換などで使用したりすること

(13)個人的な目的で画像、動画、音声等を要求したり、取得したりすること

(14)業務以外で、子ども等の住居、その他の通常所在する場所(以下「住居等」という)の付近に赴くこと

 

2.スタッフが子ども・若者に対して、しなくてはならないこと

(1)子ども・若者が従わざるを得ないような関係や依存を深めるような関係ができないよう留意すること

(2)長時間子ども・若者と2人だけで過ごしたりしないなど、可能な限り人目のあるところで接するよう留意すること

(3)子ども・若者がいつでも移動したり、退去したり、保護者と連絡を取れたりする環境を確保すること

(4)SNSアカウント、メールアドレス、電話番号等の取得や提供は、常勤正スタッフのみが行うこと。また取得・提供する場合は、必ず本人、保護者の許可を得ること

(5)活動において、画像、動画、音声の撮影・保存し、配布・活用する場合は、本人・保護者の許可を得て行うこと(撮影・活用のガイドラインは別途定める)

(6)子ども・若者と活動外や時間外に接する場合は、スペースや部門責任者のスタッフおよびその他の関係するスタッフに予め伝えてから行うこと

 

⑤スタッフ採用ガイドラインの策定

スタッフ採用においては、募集時に下記のガイドラインを明示することとしました。

1.応募資格

・年齢原則22歳以上、性別・国籍・学歴不問
・暴力団の構成員でないことまたは構成員でなくなった日から5年以上経過していること
・人権侵犯、不当な差別的言動(いわゆるヘイトスピーチ)・性犯罪・性暴力・児童虐待・DVとして告発・勧告・通告・説示等の公的処分を受けた経歴がないこと

2.求める人材像

・フリースクール等のスタッフになりたいという目標や意志を明確に持っていること
・フリースクール等のスタッフをとおして多様な学び・教育の発展や社会貢献に寄与したいという志を有していること
・子どもの権利・人権、不登校への関心・理解、子どもとの関わりにおける積極性や柔軟性をもっていること

(実際の募集時には、予告なく変更する場合があります)

 

 

⑥フリースクール等での周知・予防教育

フリースクール等における人権・性的尊厳、子どもの権利、性被害・加害の予防、外部相談機関等の周知、性教育等に関する情報提供や啓発リーフレットの作成配布、教材等の整備を進めていきます。

設置図書・映像資料等のリスト(2020年1月)(PDF)

 

⑦その他

子ども等に関するその他の諸規程の必要性およびスタッフ等に関するハラスメント防止等の諸規定について整備していきます。